歯並びは内側からは舌の、外側からは唇や頬の筋肉の圧力を常に受けています。
この筋肉の圧力のバランスのとれた真ん中の位置に安定して並びます。
お口をいつも開けていて舌を前に出す癖があると、上の前歯と下の前歯の間にいつも舌が挟まっている状態になり内側から舌に押され前歯が外に傾き、上下の前歯が噛み合わない状態(開咬)になってしまいます。
また、指しゃぶりや上の前歯を舌で押しだす癖があると上の前歯の内側へ力が強くかかるため、上の前歯が唇側に出る傾向が強くなり出っ歯(上顎前突)になりやすくなります。
逆に下の前歯にいつも舌が触り、下の前歯を押し出しているような場合は下顎の歯が上の歯よりも前に出てしまうこともあります。(下顎前突)
特に唾液や飲み物を飲み込むときは、特に強い力が加わります。
私たちは無意識に1日600~2000回飲み込む動作をしています。日常的に舌を押し出す癖を気づかず行っていると歯並びを乱す原因はそのまま残ってしまいます。
舌を押し出す癖以外にも次のような癖は正しい歯並びを保つための妨げになります。
- 口呼吸(アレルギー性鼻炎などによるものも含む)
- 指しゃぶり、爪かみ、咬唇癖
- 猫背、頬杖
など
まずは癖に気づくこと、そして正しい舌の動きやお口の周りの筋肉の動きを覚え習慣化していくトレーニング(MFT)が必要となります。
当院では患者さまの状態により、トレーニング内容を楽しんで行っていただけるようカスタマイズしていますが、ご本人のやる気とご家族の協力も必要です。
1か月ごとの歯科衛生士の指導のもとレッスンを受けていただき、ご自宅では毎日のトレーニングを続けていただくことで効果が得られます。